野菜栽培はマニュアル通りではできません。地域や圃場条件によって工夫が必要です。

野菜栽培はマニュアル通りではできません。地域や圃場条件によって工夫が必要です。 栽培

就農して数年の野菜栽培はたくさん失敗しました。いろいろ試しているうちに、なんとなく解決策が見つかることもありました。今回のブログ記事は、技術力のある農家の方には参考になりませんが、就農して間もない方(栽培技術が心もとない)や家庭菜園を行っている方で、マニュアルやネットの情報で野菜栽培をしているけど失敗するという方へのヒントになれば幸いです。

マニュアル通りでは上手くいかないこともある

世の中には野菜づくりの参考書的な栽培マニュアルがたくさんあり、書籍やインターネットでその情報は簡単に入手できます。農協の広報誌や新聞などにも掲載されていたりします。私も就農するまでは野菜作りの素人で、書籍などで一生懸命勉強しました。そして、就農して、それらの情報を参考に見よう見まねで野菜栽培をしていました。

ところが、就農当初は特に栽培上の失敗が多く、いろいろ試行錯誤していくうちに気が付いたことがありました。土壌や気候などの地域特性がありますし、ましてや圃場ごとにもいろいろ特徴があります。圃場の違いについてあはこちらの過去のブログ記事にまとめています。
圃場の特徴を把握することの大切さ
それらの違いを把握せずに、マニュアルのまま野菜栽培をすると全くうまくいかないことがあることを理解しました。マニュアルはアレンジしたほうが良いことがあるとお伝えいたします。

かぼちゃの例


私は就農して多品目の野菜栽培をしております。一例として挙げるのは、かぼちゃです。マニュアルではほぼ例外なく、畝は3メートルの広い畝にしましょう、とあります。これは、かぼちゃの蔓は横に広がるので、3メートルくらいの広い畝でないと、蔓が畝の谷に落ちてしまうためです。
就農後、3年目くらいまではマニュアル通り3メートルの広い畝を作って、かぼちゃを栽培していました。しかし、収穫に至ったのは1年だけであとの2年は全滅しました。全滅の理由は、梅雨時期に雨が続くと、畝が水没しました。カボチャやスイカなど瓜類は一度水没すると数日後にはほぼ枯れます。
私の地域では、畑といって、ほぼもれなく水田の転作畑です。畑の周りは高い畦があり、まとまった雨が降ると、畑の中に水がたまります。したがって、通常はどんな作物を作る場合も畝の高さが40㎝くらいの高畝にします。ところが、3メートル畝を作ろうと思うと、どうしても畝の高さを犠牲にせざるを得ません。図で示すと下図のようなイメージになります。

どうしても畝の高さが通常に比べて低い場合、畝が水没してかぼちゃが全滅することに気が付きました。そこで、通常の野菜を作る場合と同じ40㎝の高畝にしてかぼちゃを栽培したところ、畝の谷のかぼちゃは枯れるものの、畝の上のかぼちゃは生き残って収穫できることが分かりました。多品目栽培をしている私にとっては、いくつかでも収穫できることが重要です。したがって、今では、このように通常の野菜を同じ畝でかぼちゃを栽培しています。

長尾作成 大雨が降った後の絵。緑のかぼちゃは収穫できるが、オレンジのかぼちゃは枯れます

また、通常の畝と同じにするメリットは作業が楽になります。通常の畝だとトラクターに付けた畝成型機で耕すだけですので人力はほぼかかりません。一方、3メートルの畝を作るのは、通常の畝とは異なり、鍬やレーキを使う手作業が増えるので大変でした。その作業をしなくてよくなったのでかぼちゃ栽培のハードルも下がっています。もちろん、かぼちゃの産地のように大規模にかぼちゃを作ることはできませんが、ある程度コンスタントに収穫できるので、直売所出荷では重宝しています。

最後におススメの参考書

最後に、私が就農当初、特に、野菜栽培の参考にした書籍はこちらです。

また、就農当初によく読んだ栽培の参考にしたブログ記事はこちらです。
就農したての野菜栽培の初心者が参考にした書籍

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