第二種電気工事士に合格しました。
なぜ農家が電気工事士?と思われるかもしれません。
農業をしていると、意外と「ここにコンセントがあれば便利なのに」とか、「この電気回路を少し変更したい」と思う場面があります。
私の場合、育苗用の温床を使っているので、電気を使う機会も少なくありません。納屋やビニールハウス周辺でも、電気を使う機械や設備が増えてきました。
これまでは、ちょっとした電気工事でも近所の電気工事士さんにお願いしていました。
もちろん、それが一番安全・確実です。ただ、その方もだんだん高齢になってきました。また、「コンセントを一つ増やしたい」といった程度のことで、いちいちお願いするのも申し訳ない。
とはいえ、電気のことはほとんど分かりません。オームの法則を中学校か高校で習ったような気がするものの、覚えているのは「V=RI」という式ぐらい。感電したらどうしよう、という不安もあります。
そこで、
「第二種電気工事士を取れば、少なくとも電気工事について一通り勉強できるのではないか」
と思い、受験することにしました。
結果として、勉強を始めてから約半年。無事に合格することができました。
せっかくなので、これから受験する人の参考になるよう、私がどんな勉強をしたのか、そしてどこでつまずいたのかをまとめておきます。
学科試験
最初に買ったテキストは、私には合わなかった
最初に購入したのは、第二種電気工事士のテキストとして定番っぽいのオーム社の参考書です。
合格するために必要なことがコンパクトにまとめられていて、いわば「合格への最短距離」を狙ったテキストなのだと思います。
ただ、私にはこれが合いませんでした。
内容が悪いということではありません。むしろ、よく整理されていると思います。
ただ、電気についてほとんど知識のない私にとっては、知らない用語や数字、規則などが次々に出てきます。
「なぜそうなるのか」という説明よりも、「これはこうです」という形で進んでいくので、読んでいてなかなか興味が湧きません。まるで教科書を読んでいるようです。結果、ページは進むものの、頭に入ってきません。「これはちょっとまずいな」と思い、別の参考書を探しました。
そこで見つけたのが、対話形式で説明が進んでいくタイプの翔泳社の参考書でした。
これが私には非常に合っていました。電気について何も知らない人にも分かるように、「なぜこうなるのか」というところから説明してくれます。すべての試験範囲を完全に網羅しているわけではないように感じましたが、何より電気そのものに興味が持てるようになったのが大きかったです。
結果的には、この参考書を2周しました。その後、過去問集を一通り解きました。
最初は40点しか取れない
過去問を初めて解いたときは、40点でした。(100点満点で60点以上が合格)
特に苦手だったのが配線図の問題です。最初は、配線図を見ても何が何だか分かりません。
「この線はどこにつながっている?」という状態です。
特に、リングスリーブや差込形コネクタの数を答える問題は、何度やっても間違えました。
ただ、過去問を繰り返していると、面白いことに少しずつ点数が上がってきました。
私の場合は、こんな感じでした。
2/1 40点(過去問開始)
2/10 48点(合格にほど遠いので翔泳社の参考書をもう一周)
3/18 62点
3/20 68点
3/21 68点
3/24 74点
3/26 80点
3/27 86点(配線図問題のリングスリーブ・差込コネクタの数を答える問題は苦手)
3/29 84点
3/31 84点
こうして見ると、最初は40点だったのが、1か月ほどで80点台まで上がっています。
もちろん、毎回順調に伸びたわけではありません。
それでも、過去問をやればやるほど、少しずつ点数が上がっていくというのは実感できました。
苦手なところもだんだん見えてきました。
最初は「何が分からないのかも分からない」状態でしたが、勉強を続けていると、少しずつ「自分はここが苦手なのだ」と分かるようになります。これは結構大事なことだったと思います。
本番は94点
学科試験はCBT方式で受験しました。CBT方式なので、試験終了後、その場ですぐに結果が分かります。
結果は94点。無事に合格です。
40点から始まったので、自分でも「よくここまで上がったな」と思いました。
技能試験
技能試験の取り組み方をちょっと失敗
学科試験に合格すると、次は技能試験です。
そして、この技能試験の勉強では、最初にちょっと失敗しました。
最初は「候補問題(13問)を繰り返しやればいい」と思いました。
「とりあえず候補問題を1番から順番にやって、全部2周くらいすれば合格できるだろう」と考えました。
ところが、実際に始めてみると、これがなかなか難しい。まず、材料の種類が多い。スイッチ、コンセント、ランプレセプタクル、リングスリーブ、差込形コネクタ、VVF、VVR……。工具もいろいろ使います。
何より、完成したものを見ても、「これで合っているのか?」が分かりません。
電気工事をしたことがない人間が、いきなり完成品を作ろうとしても、そもそも何が正解なのか分からないのです。そこで、勉強方法を変えることにしました。
ちなみに、実技試験用の材料は、HOZANの工具セットと練習用部材(1回セット)を購入しました。
「単位作業」を繰り返す
候補問題を最初から最後まで通してやるのではなく、まず一つ一つの作業を練習することにしました。
例えば、
・リングスリーブの圧着
・差込形コネクタへの接続
・コンセントへの電線の接続
・ランプレセプタクルの接続
・スイッチへの接続
・電線の被覆を剥く作業
など、今日はリングスリーブだけ。今日はランプレセプタクルだけ。というように、一つの作業に集中して何度も繰り返しました。これはかなり効果がありました。
何度もやっていると、最初は工具を持つ手もぎこちなかったのが、だんだん自然に動くようになります。「この長さで被覆を剥けばいい」「ここはこう曲げればいい」「リングスリーブはこれを使う」
といったことが、頭で考えなくても少しずつできるようになってきます。一通りの単位作業ができるようになったところで、今度は候補問題に取り組みました。
候補問題は1日1問
候補問題は、基本的に1日1課題。試験日までに、それぞれの課題を2回ずつ作りました。
単位作業を先に練習していたので、今度は「何をすればいいのか分からない」ということがありません。一つ一つの作業を組み合わせていけば、完成します。
そして実際の試験でも、特に戸惑うことなく、時間内に完成させることができました。
第二種電気工事士を取得してみて
こうして、半年ほど勉強して第二種電気工事士に合格しました。決して簡単な試験ではありませんでした。特に、電気についてほとんど知識がないところから始めると、最初は知らない言葉ばかりで結構大変です。
一方で、過去問を繰り返していけば学科の点数は少しずつ上がっていきますし、実技も一つ一つの作業を分解して練習すれば、だんだんできるようになります。
私の場合、勉強を始める前は「電気は怖いもの」という感覚がありました。もちろん、資格を取ったからといって電気が安全になるわけではありません。
電気工事には感電や火災などの危険がありますし、資格があっても、分からない工事を自己流で行うつもりはありません。ただ、試験勉強を通して、電気工事の基本的な仕組みやルールを知ることができました。
農業をしていると、温床や納屋など、電気を使う場面は意外と多くあります。
「なぜこのブレーカーが落ちるのか」
「この配線はどうなっているのか」
「この器具はどうやって接続されているのか」
以前なら全く分からなかったことが、少しずつ分かるようになりました。
そう考えると、第二種電気工事士は、私にとっては単なる資格試験ではなく、農業を続けていくうえで、身につけておいて損のない実用的な知識を勉強する機会になったと思います。
これから農業をする人にも、農業に限らず、自宅の電気について少し詳しくなりたい人にも、面白い資格ではないでしょうか。
「電気はよく分からないけれど、ちょっと勉強してみようかな」という人には、おすすめできる資格だと思います。



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