【体験談】農地を購入したときの手続きの流れを時系列でまとめました

【体験談】農地を購入したときの手続きの流れを時系列でまとめました 政策・制度

農地を購入する機会がありました。農業委員会への申請から所有権移転登記まで、すべて自分で行うのは初めての経験だったため、手続きを時系列でまとめました。基本的にすべての手続き・書類提出を司法書士さんの手を借りず、自分で行いました。これから農地を購入される方の参考になれば幸いです。

手続きの流れ

農地を購入する場合、大きく分けると次の2つの手続きが必要になります。

農業委員会の許可を受ける

農業委員会とのやり取り
農地法第3条に基づく許可申請
許可が下りると農地を取得できるようになります。

    ↓ 

所有権移転登記を行う

法務局とのやり取り
不動産登記法に基づく所有権移転登記
登記が完了すると、法務局の登記簿上でも正式な所有者となります。

この記事では、私が実際に経験した手続きを時系列でご紹介します。

具体的手続き

農業委員会へ許可手続き

使用貸借の更新通知を受け取る(2月23日)

これまで使用貸借で借りていた農地の契約更新時期を迎え、農業委員会から契約更新についての通知を受け取りました。そのタイミングで、地主さんから「農地を買ってもらえないか」と打診を受けました。地主さんは親戚筋の方ですが、現在は地元を離れて暮らしておられます。今後の管理も考えて売却を希望されていたため、私も購入する意思を伝えました。私が耕作しなければ耕作放棄地になる可能性もありました。

農業委員会へ行き、購入に向けた具体的な手続きや必要書類について相談しました。農業委員会の担当者に、必要書類や申請の流れを丁寧に教えていただき、安心して準備を進めることができました。

必要書類については、各農業委員会で若干異なると思いますので、自分の農地のある農業委員会に確認することをお勧めします。書類の雛型等もらえると思います。

私が提出した主な書類

・農地法第3条許可申請書
・申請地の位置図
・公図
・土地登記事項証明書
・譲渡人・譲受人の住民票
・関係団体(地域の農業委員や自治会等)へ提出した誓約書のコピー
・営農計画書
・農業用自動車の車検証及び運転免許証のコピー

また、同時に地主さんとの間で「農地の売買契約書」を締結しました。それら必要書類を作成し、遠方に住む売主さんへ郵送しました。返信用封筒も同封し、押印や記入をお願いしました。

売主さんから押印済みの書類が返送(3月24日)

売主さんから押印済みの書類が返送されました。

その後、必要書類をまとめて農業委員会へ提出しました。

農業委員会からの許可(5月8日)

農業委員会から農地法による所有権移転の許可を受けました。一枚の許可証を受領しました。私の印象では、農業委員会への手続き自体はそれほど難しくありませんでした。必要書類は多いものの、一つ一つ準備すれば問題なく進められると思います。

法務局へ登記手続き

所有権移転登記について調べたところ、私の場合は次の書類が必要でした。

・登記申請書(法務局のHPからダウンロード)
・委任状(登記申請書ダウンロード時に書類の雛型がある)
・登記原因証明書情報(登記申請書ダウンロード時に書類の雛型がある)
・農地法3条許可証(農業委員会への手続きで取得済み)
・売買契約書(収入印紙貼付済)
・固定資産評価証明書(市役所の税務課で取得できる)
売主側が用意する書類
・登記識別情報(権利証)
・売主の印鑑証明書
とあり、書類をそろえた上で法務局へ提出という流れになります。

固定資産評価証明書を取得(5月21日)

亀岡市役所税務課で固定資産評価証明書を取得しました。

簡単な申請書を記入し、本人確認書類(運転免許証)を提示しました。

固定資産評価証明書は原則として農地の所有者が取得するものですが、買主でも売買契約書を持参すれば取得できます。手数料は1通300円でした。

売主から書類受領(5月27日)

売主さんから次の書類を受け取りました。

・印鑑証明書
・登記識別情報(権利証)
・委任状(実印押印済み)

法務局園部支局へ行く(5月28日)

書類がすべてそろったので、「あとは提出するだけ」と思い、意気揚々と園部支局へ向かいました。ところが、ここで思わぬ落とし穴がありました。登記手続きは、
・窓口で提出
・郵送で提出
・オンライン申請
といくつか方法があるのですが、初心者は窓口がよいと聞いていたので、足を運んだのですが、登記手続きは予約制で、予約を取っておらず、かつ、予約が約3か月先まで埋まっていました。3ケ月先となると、すでに受け取った売主の印鑑証明書の有効期限との兼ね合いで困りました。

さて、そこで園部支局にどうすればよいか問い合わせたところ、「京都市内の法務局に行って書類の不備を見てもらってください。不備を修正した上で、園部支局に郵送で提出する方法があります。」と回答がありました。最初は「また別の法務局に行くのか」と少し戸惑いましたが、早速京都市上京区にある京都地方法務局に予約電話をすると、翌週の予約が取れました。

京都地方法務局で書類を確認(6月3日)

予約した京都地方法務局で書類を確認してもらいました。相談員の方は非常に親切で、的確に書類を見ていただきました。その際、指摘された不備は、

・売買契約書の割印漏れ
・登記原因証明情報の修正
・登記申請書への追記

など、丁寧に教えていただきました。

また、必要な登録免許税額も確認していただき、その場の法務局内の窓口で収入印紙を購入しました。

売主さんの押印が追加で必要な書類があったため、再度売主さんとの間で郵送を行いました。

郵送申請(6月15日)

必要書類がすべてそろったため、京都地方法務局で教えていただいた方法(レターパック(赤))で園部法務局へ郵送申請しました。

返信用封筒も同封し、返却される原本も受け取れるようにしました(京都地方法務局で教えてもらった方法通り)。

登記完了(6月25日)

園部法務局から返信が届きました。

本人限定受取郵便だったため、最初は郵便受けに通知書が入っており、後日郵便局で受け取りました。

無事に登記が完了し、返却書類もすべて受け取ることができました。

感想

今回初めて農地を購入しましたが、事前に農業委員会へ相談したことで手続きの流れがよく分かり、スムーズに進めることができました。

一方で、法務局の登記申請を窓口で行うのは予約が取りづらい場合があります。余裕を持って予約することをおすすめします。

初めての手続きだったため戸惑うこともありましたが、農業委員会や法務局の担当者の方に丁寧に教えていただき、無事に所有権移転登記まで終えることができました。
農業委員会への手続きは比較的難しくなく、さほど神経をつかうことはありませんでしたが、法務局の手続きは細かい指摘が多く、慣れていない方は戸惑う場面があるかもしれません。私は小規模農家のため、少しでも経費を抑えたいという思いから、自分で手続きを行いました一方で、行政手続きに不安がある方や時間を優先したい方は、司法書士へ依頼するのも良い選択肢だと思います。

これから農地を購入される方の参考になれば幸いです。

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