農業者年金に加入すべきか検討しました

政策・制度

農業者年金に加入すべきか

農業をしていると「農業者年金」という言葉を耳にすることはよくあります。よく聞くのですが、内容についてあまり詳しく分からない(周囲に加入している人・詳しい人がいない)ため、いつも加入した方がいいのかどうか判断がつきかねます。そこで、加入すべきかどうか検討したかったので、農業者年金について調べてみましたのでまとめておきます。農業者年金について詳しく知りたい方の一助になれば幸いです。

最初に結論から申します。以下の条件に合う農業者は加入を検討するのも良いと思います。
・将来の年金の受取額に不安のある方
・40歳未満の方(若いほど農業者年金のメリットが大きい)
・長生きすることに自信がある方
・自分で資産運用したくない方(iDeCoに加入しない方)

農業者年金の概要

農業者年金は「独立行政法人農業者年金基金法」に基づき運用されている年金制度です。

国民年金に上乗せできる年金として、
・農業者の老後の安定を図ること
・農業者の確保すること
を目的で運営されています。

まず、簡単に我が国の年金制度を確認します。
20歳以上の国民は、国民年金(1階)に加入します。会社員等(第2号被保険者)はその上に厚生年金(2階)がありますが、農業者は(第1号被保険者)には厚生年金がなく、国民年金がメインとなります。厚生年金の分、農業者は会社員等と比べ受け取る年金に差があります。したがって農業者の中には年金に対する不安を持つ方もあります。そこで農業者の年金を充実させるために、農業者年金があります。
ちなみに、全国農業新聞2021年10月号外によると、国民年金で受け取れる年金額は月額約13万円、高齢農家(夫婦2人)の現金支出は月額約24万円。ですので国民年金だけでは10万円ほど不足する計算になるそうです。

農業者年金のポイント解説

農業者年金のポイント
①農業者は広く加入できる
②積立方式・確定拠出型
③保険料の額は自由に選択(月額2万~6万7千円)
④終身年金で一生涯をサポート(80歳前に亡くなった場合は死亡一時金がある)
⑤税制面の優遇措置
⑥一定の要件を満たす農業者には保険料の国庫補助がある

ちょっと分かりにくいところを補足で解説します。
②の「積立方式・確定拠出型」について。簡単に言うと、保険料が個人ごとに管理・運用される方式で、自分の積み立てた分から年金を受け取れるという仕組みです。ちなみに、国民年金など多くの公的年金は、「賦課方式・確定給付型」といって、現役世代の保険料が受給世代の年金を支える仕組みになっており、少子高齢化時代にやりくりが大変になるシステムです。

④の終身年金についてです。実は、この部分が一番理解に苦しみました。というのも、農業者年金は自分が積み立てた保険料(+運用益)から年金が支払われるとしたら、長生きしたら年金の財源である積立金が不足してしまうのではないかと思ったためです。しかし、これは②の部分を正確に理解することで解決しました。積立方式とは正確には、「保険料が個人ごとに管理・運用される方式で、自分の積み立てた分から年金額を計算して年金を受け取れるという仕組み」です。この計算は、”年金現価率”と”予定死亡率”を用いて計算します。簡単に言うと、受給者の方々の中で長生きした人の年金分をそうでない方の年金分で賄う仕組みになっています。そうすることで終身年金が可能になっています。つまり、長生きすればするほどメリットが大きくなります。

⑥の国庫補助についてです。40歳未満で要件を満たせば保険料の最大5割が国庫補助されます。つまり、加入時期が若ければ若いほどメリットが大きい仕組みです。

農業者年金の運用

支払った保険料は、農業者年金基金という組織が運用します。運用は基金にお任せですので、加入者は特に何もする必要はありません。運用は他の公的年金と同様、株や債券での運用が基本になり、その保有比率である基本ポートフォリオが決まっています。それでは、農業者年金基金の運用についてどのような資産で運用しているか確認します。

農業者年金基金、GPIFホームページを参考に長尾作成

下の行の年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)とは、国民年金などを運用している組織です。それと比較しても、債券(特に国内債券)の比率が高く株式での運用が少なくなっており、一言でいうとリスクの低い保守的な運用といえます。あまり、運用でリスクを取りたくない人にとっては安心のポートフォリオといえます。

農業者年金加入の私の判断

最後に、私自身の加入の判断について書いておきます。私は会社員時代に確定拠出年金をやっており、退職後も継続してiDeCoに加入しています。調べてみると、農業者年金とiDeCoは併用できないルールです。残念、農業者年金の加入はしない所存です。
また、私が農業者年金に加入しない他の理由としては、
・40歳を超えており、国庫補助を受けられないこと
・自分で金融商品を選んで運用したいこと(もっとリスクをとりたい)

以上、農業者年金についてまとめれば、若ければ国庫補助があること終身年金であることはめちゃくちゃ魅力的です。農業者年金に興味を持たれた方は一度検討されてはいかがでしょうか。

【参考資料】
全国農業新聞2021年10月号外
独立行政法人 農業者年金基金ホームページ
年金積立金管理運用独立行政法人ホームページ
農林水産省ホームページ

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