農地を借りるときの手続きを法律的観点も含め整理しました

政策・制度

就農に当たって、重要な経営資源である農地を借りる手続きを行いました。その際の具体的な手続き方法についてまとめてみました。法的根拠も意識しつつまとめてみましたので、今後農地を貸す人、借りる人の参考になれば幸いです。

農地を借りる手続き

2016年11月から就農するにあたって、基本的な経営資源である農地を借りる手続きを行いました。父親の農地もあるのですが、新たに野菜作りをするには農地が足りないため、実家近くの遊休農地を借りることにしました。ご近所の方の農地でしたので、お願いに行くと快く借していただくことが出来ました。
私はいわゆるUターンでの就農でしたので、このように相対で農地を借りることが出来ました。一方で、そのツテがない場合や第三者が間に入ったほうがよい場合は農地中間管理機構(※)を通じて貸借契約を結ぶことが望ましいです。

今回は、相対での貸借契約を結びましたので、その手続き方法及び農地の貸借について調べたことを整理しておきます。

(※)農地中間管理事業の推進に関する法律(平成25年制定)に規定。賃借を中心とした農地の中間的な受け皿機能を強化し、認定農業者や新規就農者など新規参入の促進によって、農地利用の効率化と生産性の向上を進めることを目的とする。各都道府県に1つ。

法令による手続きの種類

農地を借りる際の手続きは複数あります。これは手続きが規定されている法律が複数あるためです。
調べたとこと次の4つの法律があるようです。

  1. 農地法
  2. 農業経営基盤強化促進法
  3. 農地中間管理事業の推進に関する法律
  4. 都市農地の貸借の円滑化に関する法律

それぞれの法律はこちらのe-Gov法令検索で簡単に行えます。

それぞれの法律による違いを簡単にまとめると、2.及び3.は市街化区域以外が対象で、4.は市街化区域の生産緑地が対象です。1.はすべての地域が対象です。手続きとして多いのは、2.及び3.だと思います。2.及び3.のメリットは、賃借の期限に借り手から貸し手に農地が返還される(更新するときは再度手続き)ので、貸し手にとっても農地を返してほしい可能性があるときに安心です。

実際に行った農業経営基盤強化促進法に基づく手続き

実際に私が行った手続きは、農業経営基盤強化促進法に基づくものです。貸し手と借り手が相対で契約しています。貸し手とは事前に口頭で農地の貸し借りの合意をした上での手続きを行いました。

まず、亀岡市役所内にある農業委員会に「農用地利用集積計画明細書」という書類をもらいに行きました。書類に記載する事項は氏名、住所など基本的なことですが、
貸し手と調整する必要がある事項は、
・貸し借りの期間(10年以内)
・借賃
でした。

次に添付書類である土地登記簿謄本を取得しました。以前、土地登記簿謄本を取得した際にまとめたブログはこちらです。

あとはこの明細書に貸し手、借り手の双方が必要事項を記入し、実印を押印(2023年2月現在は)認印、地域の農業委員に署名・印鑑をいただき、市役所内にある農業委員会に提出しました。

亀岡市の場合、農地の貸し借り(利用権設定)は、年 2 回 6月と 12 月に設定の時期があります。このため書類は1月に提出しましたが、農用地利用集積計画の公告後の次の6月から利用権設定となります。

(参考)
今回のブログを書くにあたってこちらの書籍を参考にしています。

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