ここ数年、夏は猛暑が続いております。特に、多くの農家が利用するビニールハウス内は、外よりも熱気がこもるため暑くなりがちです。耐暑策として、何かできることはないかと探していたところ、比較的手軽に取り組めるそうな「熱エコファン」という装置を取り付けました。ハウス内の暑さ対策を考えている農家の参考になれば幸いです。
熱エコファンとは
まず、イメージしやすいように、熱エコファンという装置を取り付けた後の写真を見ていただきます。
これは、パイプハウスの上部に溜まった熱気を外に排出する装置です。
電源不要です。
仕組みはシンプルです。形状記憶スプリングにより内部弁が自動で開閉し、滞留する熱気を外に排出します。
ちなみにPO(ポリオレフィン)専用で、ハウスの被覆がポリ塩化ビニールには取付不可です。
ちなみに、私が購入した商品は「熱エコファン」という名称ですが、「熱エコ扇」や「空動扇」といった商品でも販売されており、レビュー等を見る限りおそらく商品としては同一のものではないかと考えています。
(以下は、想像になりますが、こちらは、韓国メーカーで製造されており、日本での輸入販売は独占ではなくいくつかの会社が行っており、それぞれの販売会社ごとに名称が異なるものと思われます。)
こちらは10~15坪に1台設置することが推奨されています。私は、約33坪のハウスに3つ取り付けました。
ちなみに、そもそも私のハウスに天窓がついていれば、熱エコファンは取り付ける必要はなかったと思います。今後は、ハウスを新築する際は、天窓を付けることを検討したいと思います。
取付方法
取付は簡単でした。一人でも十分取り付け可能です。3つ取り付けましたが、1時間程度で作業は終わります。
組み立て
まず、箱から取り出した本体は3つのパーツで構成されています。この3つのパーツは順に重ね合わせて、ビスで止めます(ビスは小さいので、しっかり固定できているか心配になりますが、今ところ大丈夫そうです。)このビス止めにはインパクトドライバーがあるとスムーズです。私はマキタのものを使っています。
ビニールハウスに穴をあける
熱エコファンを差し込むための穴を開けます。コンパスカッターを用いて直径15㎝の円形に開けます。
本体は穴の大きさ15㎝より大きいので、隙間はなく、雨水がハウス内に入ることはありません。
熱エコファンを取り付け
熱エコファンが1つにつき、85㎝の直管1本とフックバンド2つが別途必要になります。熱エコファンを先ほどコンパスカッターで開けた穴から押し出す感じで取付、直管とフックバンドで固定します。
取り付けた効果
数値で示すことは難しいのですが、明らかに風通しが良くなってサイドからの風が天井から抜けている感じがします。もちろん、冷房ではないのでハウス外より涼しくなるわけではないですが、取付前よりは涼しくなりました。
一方で、これだけでは、暑さ対策としては物足りなく、真夏は遮光ネットも併用する必要がありそうです。いつもは、遮光ネットをハウスの外側にかけていたのですが、熱エコファンを取り付けたことで、そのまま外を覆うことはできません。
今のところ、
・熱エコファンが当たる部分の遮光ネットに穴を開ける
・内張に遮光ネットをする
のどちらかで対応しよう考えております。