農業の経営計画を立てるときに参考になるサイト_”ひょうご就農支援センター”経営シミュレーション

農業の経営計画を立てるときに 参考になるサイト ”ひょうご就農支援センター” 経営シミュレーション 栽培

就農を予定する方は、栽培する作物ごとの経営指標を用いて経営計画を作成すると思います。何をどのくらいの面積を作ればどれくらい所得があるのか、いろいろシミュレーションをし、想像を膨らますのに役立ちます。私も就農前に経営計画の作成をしましたが、作物・作型ごとの経営指標のデータがなかなか見つからず困りました。そんな経験も踏まえ、これから経営計画を作成する方が、参考になるサイトがありましたのでお役に立てれば幸いです。

”ひょうご就農支援センター”経営シミュレーション

”ひょうご就農支援センターのサイト”にある経営シミュレーションのページが経営計画を簡単に作成でき、非常に面白いです。

サイトの使い方

使い方としては、労働人数、施設・露地、品目・作型、面積の4項目を入力します。

ひょうご就農支援センターhttps://www.hyogo-shunou.jp/simulation/simulation.html

計算結果として、収量、単価、販売金額、直接経費、限界利益、労働時間が表示されます。

複数の作物を組み合わせて計算することもできます。ただし、選択できる品目・作型は兵庫県の標準的に経営されている品目・作型のみの選択となっているようです。

2024年3月現在、選択できる品目・作型は、以下の通りとなっております。

露地では、

  • ピーマン 夏秋
  • キャベツ 秋冬穫り
  • キャベツ 冬、春穫り
  • キャベツ 6月穫り
  • キャベツ(加工用) 年内穫り
  • キャベツ(加工用) 冬(2.3月穫り)
  • キャベツ 春(5月穫り)
  • ハクサイ 12月穫り
  • ハクサイ 2月穫り
  • ホウレンソウ 12月播き
  • ブロッコリー 年内穫り
  • ブロッコリー 冬穫り
  • レタス 年内穫り
  • レタス 冬穫り
  • レタス 春穫り
  • タマネギ 中晩生
  • ダイコン 秋冬穫り
  • ニンジン 春夏穫り
  • ヤマノイモ 
  • 黒大豆枝豆 10月どり
  • スイートコーン 夏どり


施設では、

  • トマト 冬春
  • トマト 無加温
  • コマツナ 周年3月播き
  • ミズナ 周年3月播き
  • ミズナ 周年10月播き
  • シュンギク 周年11月播き
  • イチゴ 高設
  • メロン 無加温

試しに計算してみました

試しに、私が(思いつくままに)計算してみた結果は以下の通りです。季節ごとの労働時間のバランスを考えて、冬はハウスでミズナ(10a)、春・夏は露地でタマネギ(40a)、ニンジン(70a)、を収穫する作型を入力してみました。面積は労働時間を見ながら、月の労働時間が160時間以内に収まるようにしました。

ひょうご就農支援センターhttps://www.hyogo-shunou.jp/simulation/simulation.html

計算したところ、売上が6,484,500円で経費が2,262,000円。差し引きした利益が4,222,500円でした。労働時間が1,103時間(2人で)でしたので、時給にすると4,000円弱になりました。品目別でみると、ミズナは時給約1,000円、タマネギは時給約2,600円、ニンジンは時給約3,800円となりました。

また、最も忙しい月は、11月で1人当たりの労働時間は133時間となり、現実的な労働時間になっています。

この試算では、ほとんど労働のない月もあり、まだまだ売上を伸ばせる余地はあります。計算結果だけ見ると、農業もそれなりに稼げるように感じられます

ただし、農家である私の肌感覚では、基礎データが篤農家の経営データであり、この経営を実現するのは少しハードルが高いように感じます。特にニンジンの時給がとても高いですが、技術力の差が如実に出る作物なのかと思います。

私が就農したときに参考にした経営指標

私の実体験になりますが、就農する際に経営計画を作ろうとしました。その際、品目ごとの経営指標のデータが見つからず困りました。京都府の改良普及センターやJAなどに聞いてはみましたが、(京都は特に産地と呼べる品目がないためか?)経営指標といえる基礎的なデータはないとのことでした。

そこで、私の場合は、農山漁村文化協会「新 野菜つくりの実際」シリーズにある経営指標が元も汎用的にかつ、多品目にわたり経営指標が記載されているので参考になりました。

ただ、このデータは、技術も未熟であり、就農条件もさまざまである新規就農者がこの通りできるかは難しいと思います。しかし、目安にはなるので良いデータであり、かつ栽培についても丁寧で詳しく記載されているので就農に当たって役に立った書籍です。こちらのシリーズは2023年から第2版が発行されており、新版を購入されることをおすすめします。

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