農家にとって避けて通れない「相続税の計算」-特に農地について

会計・確定申告

農家にとって、いつか必ず向き合うことになるのが「相続」です。預貯金だけでなく、農地、家屋、納屋、場合によっては「自分では場所もよく分からない山林」を相続することも珍しくありません。これらの相続財産に相続税がかかるのか、かからないのか。できれば事前に、ある程度の目安だけでも試算しておきたいところです。

というのも、実際に相続が発生すると、精神的にも時間的にも余裕がなくなりがちです。その結果、「本当はもっと良い選択肢があったのに、十分に検討できなかった」ということにもなりかねません。

私自身も、
相続税が気になるけれど、計算方法がよく分からない
農地や山林の評価額が想像できず、不安だけがある
という状態です。

そこで本記事では、農家の方が自分で相続税の概算をつかむための考え方を、できるだけ分かりやすく整理してみました。将来的に相続税の計算が必要になりそうな農家の方の参考になれば幸いです。

そもそも相続税は「誰にでも」かかるわけではない

相続税は、相続財産が一定の基準(基礎控除額)を超えた場合にのみ課税される仕組みです。
そのため、実際には 相続税がかからないケースのほうが多いと言われています。

ただし、農家の場合は注意が必要です。現金や預貯金は少なくても、農地や山林を複数所有していることで、評価額が意外と大きくなることがあるからです。

まずは「自分の場合、課税対象になりそうかどうか」を知ることが大切です。

農地の評価方法は2種類ある

相続税の計算で、多くの農家がつまずくのが「農地の評価」です。
農地の評価方法には、主に次の2つがあります。

① 路線価方式

国税庁が定めた「路線価」が設定されている地域で用いられる方法です。
主に市街地などが該当します。

② 倍率方式

路線価が設定されていない地域で用いられる方法です。
農地や山林の多くは、この倍率方式で評価されます。

農家に多い「倍率方式」の考え方

倍率方式の計算は、実はとてもシンプルです。

基本の計算式

固定資産税評価額 × 評価倍率

用意するもの

① 市役所から毎年送られてくる
 「固定資産税の課税明細書(納付書)
② 国税庁が公表している「評価倍率表

評価倍率表を見れば、
「その土地が路線価方式なのか、倍率方式なのか」
「倍率はいくつなのか」
が分かります。

一般的に、
市街地 → 路線価方式
郊外・農地 → 倍率方式
となるケースが多いです。

農地評価の具体例(イメージ)

例えば、

固定資産税評価額:〇〇円

評価倍率:△倍

であれば、

〇〇円 × △ = 相続税評価額

となります。

これを すべての農地ごとに計算し、合計すれば、農地全体の評価額が把握できます。

紙と鉛筆でも計算できますし、エクセルを使えばさらに簡単です。

相続税計算の全体の流れ

細かい特例や控除はいったん置いておくと、相続税の計算は大きく次の流れになります。

① 課税遺産総額を把握する
(農地・宅地・建物・預貯金などを合算)

② 相続税の総額を計算する

この記事では、特に、農家にとって評価が分かりにくい「農地」の評価に焦点を当てて整理しています。
預貯金や金融商品は今回は詳しく触れていません。

まずは「農地の評価額」を知ることから

私自身も、まず最初に取りかかったのは
「いくらになるのか見当がつきにくい農地の評価」でした。

実際に計算してみると、「思っていたより評価額が低かった」、逆に「想像以上の金額になっていた」など、現実がはっきり見えてきます

相続税がかかるかどうか以前に、
「知らない不安」を「数字で分かる安心」に変えることが、何より大切だと感じました。

実際に、農家が相続税の総額を計算を正確に行うためには、「基礎控除額の考え方」、「小規模宅地等の特例」、「農地の納税猶予制度」について詳しく知る必要があり、今回はそこまで知識と検討が及びませんのでまた、機会があれば整理したいと思います。また、市街地に農地がある方は今回の記事の評価方法とは違いますので、別途検討が必要です。

参考書籍

この記事を書くにあたって、参考にした書籍をご紹介します。

コメント

タイトルとURLをコピーしました