サトイモの種芋を越冬させるために保存する農家の方々は多くおられると思います。保存に際し、温度と湿度に注意を払うと思いますが、その際に、私が利用している温湿計をご紹介します。サトイモの種イモ保存の温・湿度管理の参考になれば幸いです。
サトイモの種イモを保存する
毎年、サトイモを栽培しています。栽培したサトイモの一部は翌年の種イモ用に春まで保存をしています。種イモは秋(11月ごろ)掘り起こし翌2月ごろまでビニールハウス内に保存しています。
保存に関しては私もいろいろな方法を試してきました。温度管理と湿度管理が大切なようで、春までに種イモが腐ってしまったり、また、芽が早めに出てしまったりとたくさん失敗をしてきました。
普及所の方に相談したり、書籍などで勉強したりして、現在では、”もみ殻”や”稲わら”などを利用して保存しています。
簡単にいうと、ビニールハウス内にもみ殻を敷いてその上に種芋を積み、軽くもみ殻を上からかけて、さらにその上に稲わらを重ねております。水稲は自分のところで栽培しているので、そこから出る副産物を利用することで、資材費がほとんどかからず良いやり方ではないかと思っております。
各農家によって、保存の仕方は様々あろうかと思います。ちなみに私が参考にした書籍は農文協の”サトイモ: 栽培から貯蔵、種芋生産まで (新特産シリーズ)”です。こちらの書籍は栽培から貯蔵までサトイモ栽培について一冊詳しく書かれていますので、これからサトイモ栽培に挑戦する人も、今までサトイモ栽培をしてきたけど更なる技術向上を目指す人にも参考になるオススメの書籍です。
この書籍によると、サトイモの貯蔵適温は8℃±1℃、湿度は90~95%とのことです。
その温度・湿度管理ですが、体感での管理を行うことは限界があります。そこで、きちんと計測機器等を使って、データで管理したいと思っていました。
利用している温湿度計
正確に温湿度を測りたいですが、あまりコストはかけたくありません。そこで、いろいろ試した結果、こちらの製品を利用しています。
こちらは本体自体で温湿度を計測するとともに(画面上段に表示)、センサー(防水)を種イモを保存している稲わらの下に直にさしてその内部の温湿度を計測しています(画面下段に表示)。また、最高・最低のデータもボタン一つで表示させることができますので、夜間の温湿度も確認することができます。したがって思ったより気温が下がるようなときには、さらに不織布を掛けるなどして、保温に努めています。
上の画像は実際の計測値です。上段は本体部分の温湿度でこの時は晴れていたのでハウス内は暖かく温度31.7℃・湿度30%であり、センサーを指した種イモ部分は温度温度12.9℃・湿度86%となっており、まずまず貯蔵適温に近いといえるのではないでしょうか。
最後に
農業を始めて様々な失敗をしてきました。その失敗を経て少しずつ改善することでロスを少なくして経営を安定していきたいです。こうしてデータをしっかり計測して、さらなる改善につなげていきたいと思う今日この頃です。
この情報が皆様のお役に立てれば幸いです。
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