データを活用する農業を

農業を始めて、反省していることの一つが、いろいろな農作業を経験(といっても2年ほどしかありませんが)と勘に頼っていることです。
もちろん栽培技術書などを読み込んで同じように作業してみるのですが、上手くいかないことがよくあります。その理由として考えられるのは、技術書にある環境条件が違うからかなと気が付いてきました。気候や土壌は地域によって異なりますし、地形によっては、お隣の畑と比べても状態が違うことがあります。ましてや天候も年によって違います。そこは経験豊富な農家であれば、自分の畑に合わせた栽培方法を確立していたり、その時々に臨機応変に対応できるのでしょうが、如何せん経験が少ないので対応がうまくできないことがあります。

そこで、いろいろデータを計測・活用して、もっとちょっとシステマティックに農作業を行い、経験不足をカバーしたいです。今すぐに、話題のAIやIoTを活用!とまでは恐れ多くて思っていませんが、将来的にはそういうのも利用したいです。

ちなみに、先日この書籍を購入しました。




水やりは難しい

農業の重要な作業の一つに水やりがあります。農業には「水やり3年」という言葉があるらしく、水やりをマスターするのに3年かかるそうです。
私の農場は、水田を転作して畑にしているので水持ちがよく、露地野菜は定植時に活着(苗を植えたあと根が張る)するための水やりと晴天続きでひどく乾燥した特の水やりぐらいで済みますが、施設内で栽培する野菜や苗に水やりは欠かせません。特に夏場が大変です。日差しが強く、すぐに土壌が乾燥し、水やりが欠かせません。気が付くと萎れているときがよくあり急いで水をやります。夏場は水やりが特に気になります。
将来的には土壌の水分データを潅水設備に接続して自動化したいと考えています。が、まずはデータを測るところから始めます。そこで土壌の水分を図る機器を調べたところ、こちらの竹村電気製作所のテンションメーター(pFメーター)を使ってみることにしました。



これで土壌の水分状態が分かります。
まず、使ってみて計測器の仕組み、取扱い方やデータの見方を理解してみます。

組み立てとpF値の意味

まず計測器の構成です。
ポーラスカップ(陶器の素焼管)、棒部(ガラス管)、シリコンゴム栓、表示部(メーター)からなっています。これを挿したりねじ込んだりして組み立てます。画像は株式会社竹村電機製作所からの引用です。
2019-2-19_1pf


組み立ては簡単で2~3分で完了します。棒部に水を満たして(一度煮沸した脱気水が良いようです)計測したい土壌に差し込みます。ポットに植えた柿に挿してみました。
IMG_5465

このメータはpF値で土壌の水分状態を表しますが、今回はpF値2.1ぐらいの緑の部分(赤が過湿、黄色が過乾)を差しており、ちょうどよい水分状態のようです。

さてpF値とはどのような意味なのか、その仕組みについて学んでみます。
まず最も気になるpFとは何の略か。それが…調べた限りでは良く分かりませんでした。yahoo知恵袋には、「pは桁という意味のpowerの略だろうがFは適当につけたのではないか。」という???な回答がありました。知っている方おられたら教えてください。

次にpF値の意味について。そもそも、土の中の水はどのような状態でしょうか。水は土の粒子の隙間にあります。この隙間の水は重力に逆らって毛細管現象により保持されています。土の粒子が細かく隙間が小さいほど強い力で水が保持されます。したがって砂地より粘土質土壌のほうが土の粒子が小さいので水持ちが良くなります。
2019-02-19_土の隙間


そしてこの水を保持する力とは圧力で表されます。圧力を表す単位として、Pa(パスカル)が聞きなれていますが、水柱の高さで表す方法があるそうです。水柱メートル(あるいは水柱センチメートル)mH2Oという単位です。ちなみに1 mH2O = 9,806.65 Paだそうです。
土の粒子が完全に水に満たされた状態は水柱0㎝。最高に乾いたとされる状態は水柱10,000,000㎝です。水柱何㎝との表現は、数字が大変大きいので利用し辛いというわけで、これを対数化したものをpF値として利用します。対数は高校の数学で習いました、log~というやつです。


水柱10㎝(=101)→pF値1、水柱100㎝(=102)→pF値2…水柱10,000,000㎝(=107)→pF値7という具合です。十分に水を含んでいる土はpF値が低く、植物の根が水を吸いやすいことを示しています。逆に土壌が乾いているとpf値は高くなり根が水を吸い上げるには強い力が必要になります。植物はpF値が2~3程度の状態を好むようです。おおむね2より小さいと湿潤すぎて、3より大きいと乾燥しすぎているということです。確かにpFメーターでも数値により赤、緑、黄色と分かりやすく色分けれさています。

これからいろいろと計測装置も試してみて、より良い野菜を作っていきます。


参考資料:農業ビジネス(https://agri-biz.jp/)【自分の畑は自分で診断する】


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