昨年から2年間、パイプハウスの中でイチジクの栽培をしておりました。結論からいいますと、栽培面で上手くいかなかったので撤退します。撤退するにあたり経験談をまとめておきます。

イチジク栽培を始めたきっかけ

水稲の育苗をメインに利用しているパイプハウスがありました。このハウスは例年、水稲苗の育苗期間(4月~6月)以外は、有効な利用ができていません。もったいないので何か利用方法を思案しておりました。なお、利用するにあたって条件が一つありました。”耕さないこと”です。水稲育苗箱を並べるにあたって、なるべく水平になることが求めれます。耕してしまうと毎年、均す必要作業が必要となります。また、地面が固く締まっていることが望ましいのでなるべく耕したくありません。
そこで、いろいろ調べてみた結果、イチジクをコンテナで養液栽培する方法を取り組んでみることにしました。


栽培概要

培土に腐葉土等を使って、コンテナに植えたイチジクを養液栽培しました。概要はこんな感じです。
・液肥をタイマーを使ってドリップチューブでかけ流し
・液肥混入機はドサトロン
・水稲苗の搬出後(例年6月上旬)に栽培開始
・6m×35mのハウスに約250株


イチジクを作ったことがなかったので手探りで始めました。
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2年間栽培してみた結果&感想

結果から申し上げますと、思ったより収穫量が少なかったため、売上が伸びませんでした。1年目は樹の生育途中ということで売るほどは収穫できませんでした。2年目からは樹も大きくなり期待していましたが、実際には、秋になっても樹にはたくさんイチジクの実がついているのに未熟の状態のものが多かったです。
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栽培管理自体はさほど手間がかからず、作業時間もあまりかからないのですが、収穫自体が少ないと如何ともしがたいです。栽培開始時間を早めるなどすれば多少収量も増やせたかもしれません。ただ、実際栽培してみて、イチジクの保存性の悪さ、鳥?などの食害など、性に合わないと感じましたので、2年間やってみましたが、撤退することにしました。

あと、他の軌道に乗りかけている商品(宅配の野菜)との親和性が悪かったことも撤退する要因の一つです。

イチジクはとっても美味しかったので、自家用に数本を露地に植えようと思っています。特にバナーネという品種は甘くて美味しかったです。

小さく試すことの重要性

イチジク栽培の撤退はとっても残念なんですが、そんな中でも一つ学んだことを強いてあげれば、小さく試してみることの重要性です。農業の場合、産地形成されているなど、ある程度確立された技術・栽培を行う際は大きく始めても問題ないでしょうが、うまくいくか良く分からない場合は特に小さく始めてみることが大切です。

・失敗しても傷が浅い。
失敗して失うものとして挙げられるのは、お金と時間。費用については、今回、液肥混入機関連で20万円ほどかかりましたが、金額自体もそれほど大きくありませんし、また液肥混入機は今後も利用できます。もう一つの、時間は取り返しがつかないのでもったいない気がしますが、一方で経験は得られました。配管、液肥の使い方、潅水の自動化など。
新しいことを始める場合、本来なら事前にロスカット(やめる基準)を決めて、取り組むのが良いかもしれません。ちなみに私は、事前にロスカットを決めるのが面倒に感じるので、ズルズル同じことを継続してしまいがちです。

・やってみないと分からないことが多い。
農業は環境が違うと結果も違うことが良くあります。同じ日本でも気候も土壌の質も随分違います。マニュアルや論文通りにやっても結果が伴わないこともあり得ます。
一方で、「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」という言葉もあるように、本来なら失敗を避けるために、歴史(他者の経験)から学ぶのが最善なのでしょう。私はこの名言から推察するに、どうやら愚者のようです、経験から学んでしまうようです。といっても、なるべく論文など調べた上で経験すべきと考えます。
ちなみに、農業技術を事前に調べるには、農業技術体系が網羅性に優れ、体系だっているので利用しています。ルーラル電子図書館を契約していると便利に利用できます。



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