農政局から交付金

先日、事業用の預金通帳を確認すると近畿農政局から入金がありました。
「何の入金だろう?」と思っていると
同じタイミングで近畿農政局から「水田活用の直接支払交付金の交付決定通知書」という書類が来ました。

私は水田を利用して野菜を作っているので、
米の生産調整との関係だろうという察しはつきましたが、
何の交付金か具体的には良くわかりません。
そういえば去年の春ごろ、農家組合長に作付面積・野菜を書いた紙を提出した記憶がうっすらとあります。

それとは別に、そういえば平成30年産からコメの生産調整が廃止になるというニュースも見た記憶があります。
NHKの解説委員室のサイトを引用します。
2018-04-01_0615NHK減反廃止

この交付金も今年(平成30年)はなくなるのかなと思いましたので、
この辺りの制度を整理してみました。


農業には関係する制度や事業がたくさんあり、
特に新規就農した場合は分からないことが多いですので、
このブログでも少しずつ整理出来たらと思っています。

米の生産調整の歴史

まずは米の生産調整の歴史を振り返ってみます。
米の生産調整は減反とも呼ばれています。
米の生産量を抑える政策です。

農林水産省のサイトに米政策の変遷をまとめた表がありましたので引用します。
2018-03-28_1619米政策変遷
簡単に流れをまとめると
  • 食糧不足のため米を政府が管理、食糧管理制度開始(戦中)
  • 政府が全量買い取りとしていたが過剰米が発生し生産調整を開始(昭和46年 )
  • 「主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律(食糧法)」制定し生産調整の規制緩和が始まる(平成7年)

食糧管理制度のもとでは米の流通や価格算定などは
政府の規制の下に行われていましたが、
それが平成7年の食糧法から徐々に規制緩和されていきます。
さらに、農林水産省は平成16年から実行される米政策改革の基本となる「米政策大綱」をまとめました。
この時点で米の生産調整は国の管理から農業者・農業者団体の主体的な取組に移行しています。

で、平成30年産からの米の生産調整が廃止というニュースは
具体的には国が米の生産数量目標の配分をやめて、
農業者・農業者団体が自主的に行うよう運用を変更するというものです。
2018-03-31_0753生産数量目標配分の図


これまでの米政策の流れをみると平成30年産でがらっと変わるわけではなく、
少なくとも米政策大綱の時にはこの流れは展望されており、
徐々に時間をかけて生産調整の廃止にむかっていったといえます。

農政は猫の目のようにコロコロ変わると言われ
確かに、事業の内容や名称は良く変わります。
しかしながらこの米政策については、
平成16年から平成30年まで約15年かけて徐々に実現していった訳ですから、
本質的な政策は一貫していると言えそうです。

米の生産調整に関係する交付金

ところで、最初に出てきた交付金(水田活用の直接支払交付金)についてですが、
調べてみると、やはり米の生産調整と関係がありました。
平成29年産についていえば、
米の生産調整に関係する交付金で、
新規就農した場合、まず頭に入れておくべきは下の2つかなと思います。
(他にも収入減少影響緩和対策などの関連事業もあります。)
2018-03-31_0757生産調整の予算
私が受け取った「水田活用の直接支払交付金」とはいわゆる転作助成というもので、
水田に米以外の作物をつくったら交付金が支払われるというものです。
何を作るかによって、また、都道府県によって単価が異なりなります。
私の場合、水田に野菜を作っていますので、それに対しての交付金でした。
こちらは生産調整の廃止によらず継続されます。

一方で、平成30年産の米の生産調整の廃止と合わせて
「米の直接支払交付金」はなくなります。
しかしながら、その予算は農林水産省の他の予算(転作助成の交付金の増額、収入保険制度の新設、農地の大規模化など)に振り分けれられています。


私自身の経営には今回の米の生産調整の廃止は大きく影響しなさそうですが、
農業政策や事業は経営に影響することが多いですのでこれからも勉強していきます。


(参考文献)
米政策の推移―米政策大綱からの15年を振り返る― 農林金融2018・1 農林中金総合研究所
農林水産省webサイト
ウィキペディア 減反政策


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